芥川賞の、文学にセンセーショナルな話題性を求めるかのような、ジャーナリスティックな性格はしばしば批判の的となります。
設立者の菊池寛自身は「むろん芥川賞・直木賞などは、半分は雑誌の宣伝にやっているのだ。そのことは最初から明言してある」(「話の屑籠」『文藝春秋』1935年10月号)とはっきりとその商業的な性格を認めています。
菊池寛は、賞に公的な性格を与えるため1937年に財団法人日本文学振興会を創設し、両賞をまかなわせるようになったが、同会の財源は文藝春秋の寄付に拠っており、役員も主に文藝春秋の関係者が就任しています。振興会の事務所も文藝春秋社内にあります。
また設立当初には選考委員に選ばれている作家の偏りが批判されましたが、これに対し菊池寛は「芥川賞の委員が偏しているという非難をした人があるが、あれはあれでいいと思う。芥川賞はある意味では、芥川の遺風をどことなくほのめかすような、少なくとも純芸術風な作品に与えられるのが当然である(中略)プロレタリア文学の傑作のためには、小林多喜二賞といったものが創設されてよいのである」(「話の屑籠」『文藝春秋』1935年2月号)という見方を示しています。
文学賞に対する批判本『文学賞メッタ斬り!』を著した大森望、豊崎由美、現在の芥川賞の問題点として選考委員が「終身制」で顔ぶれがほとんど変わらないこと、選考委員が必ずしも現在の文学に通じている人物ではないこと、選考委員の数が多すぎて無難な作品が受賞しがちなこと、受賞作が文藝春秋の雑誌である『文学界』掲載作品に偏りがちであることをなどを挙げています。また豊崎は改善策として選考委員の任期を4年程度に定め、選考委員の3分の1は文芸評論家にするなどの案を示しました。
当ホームページの情報を利用して起きたトラブルに関して当サイトは一切の責任、保証を負いません。自己責任にてお願いいたします。
当ホームページは個人が運営している非商用サイトです。